大みそか格闘技イベント「やれんのか！」
ヒョードル、対戦相手に月極ニーチェ氏を指名！

「やれんのか！大晦日2007」開催記者会見。このとき既にヒョードルは対戦相手を心に秘めていた【 スポーツナビ 】

　 大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催される「やれんのか！ 大晦日！ ２００７」（以下「やれんのか！」）に参戦が決定しているＰＲＩＤＥヘビー級王者、エメリヤエンコ･ヒョードルが対戦相手に株式会社月極駐車場社長ニーチェ氏を指名した。

　12月8日、都内ホテルでヒョードルの会見が行われた。
　対戦相手が決まらない状況での会見にマスコミからも疑問の声が上がる中、高田宣彦統括本部長、ともに登場したヒョードルは、開口一番、｢戦いたい相手がいる。ＰＲＩＤＥで私がやり残した最大の相手だ｣と述べた。

｢やれんのか！｣のヒョードルの対戦相手としては、ＰＲＩＤＥで実現しなかった、ジョシュ･バーネット戦、マーク･ハント戦の他、チェ･ホンマン戦が噂されてきたが、ヒョードルの希望は誰もが想像すらしなかったが相手だった。

高田延彦氏「現役だったら私もニーチェ氏に挑戦していたかも｣【 スポーツナビ 】

　会見の冒頭であいさつに立った高田宣彦統括本部長は「開催が決まってすぐにヒョードル選手から対戦相手の希望があった。ヒョードルが対戦相手を指名するのはきわめて異例。しかも、その相手の名前を口にするとき、あのヒョードルが声を震わせてさえいたように思う。」と「意中の相手に」にかけるヒョードルの思いの強さを代弁した。
　当初、高田氏は、ヒョードルの口から聞かされたその｢意中の相手｣の名前が、あまりにも大きく、｢とてもじゃないが実現できない｣と思ったと言うが、巨大な力に挑みたいと願う「ファイターの本能」に共感、このドリームマッチの実現の可能性を協議してきた。しかし、実現への壁は｢思った以上に高かった｣ため、マスコミを通じてチャンピオン自らが挑戦表明することによって現状を打破する狙いがあるようだ。

　また、高田本部長は「ヒョードルは口には出さないが、ニーチェ氏との間には大きな因縁がある」ことを付け加えた。「ケジメをつけるものになる。格闘技界最大の因縁の決着を見たくなった｣

「意中の相手｣月極ニーチェ氏は月面にも駐車場を持つ世界最大の駐車場運営企業の総帥。またハリウッドスターとしての顔も持つ。そして、格闘技ファンであることを公言し、ＵＦＣやＰＲＩＤＥ、Ｋ−１などの数々の大会をスポンサーとして支えてきた。ＰＲＩＤＥ参戦はこれまで何度も噂され、２００５年には、ある経済誌でＰＲＩＤＥ参戦の可能性を問われ｢爪はいつも研いでいる｣と応えていたニーチェ氏。果たして、格闘技界最後の大物の参戦は「やれんのか？」

ニーチェ氏とヒョードルの“因縁”は ２００３年１２３１日、に開催された「イノキボンバイエ２００３」でのメインイベント、ヒョードルＶＳ永田裕志戦での出来事が発端とされている。試合は１Ｒ１分２秒、 ヒョードルがパンチと蹴りを叩き込むと、永田はカメの体勢のまま動けず、レフェリーストップ。 このときのカメの体勢が｢不自然｣「永田さんほどの選手がアレほど怖がるとは思えない｣と言う意見が数多く、視聴者、観客から寄せられた。後日ＶＴＲを分析したところ、リングに迷い込んだ猫に気づいた永田が、ヒョードルから守るため、猫を自らの体でガードしていたことが判明。このことを一言も口に出すことなく、素直に敗北を認めた永田は評価を高め、一方、猫もろとも永田を痛めつけようとしたヒョードルは動物愛護団体をはじめ、おおくの世論を敵に回す結果となった。

この猫の素性についてははっきりとしたことはわからなかったが、大会スポンサーでもあり、リングサイドでニーチェ氏が観戦していたため、ニーチェ氏の関係筋という見方が一般的である。

意を決した表情で語りだすヒョードル【 スポーツナビ 】